プロペシアとフィナステリドどう違う?プロペシアとミノキシジルどう違う?
プロペシアとフィナステリド・ミノキシジルを比較し違いについて解説します。またプロペシアがどれぐらい処方されているか?またそのうちどれぐらいの方がジェネリックを選んでいるのでしょうか?
フィナステリドはプロペシアの成分「フィナステリド」のことです。プロペシアは歴史のある薬で2015年から日本でもプロペシアジェネリックが発売されています。
「ジェネリックって聞くと心配・・」、そんな方もいらっしゃるかもしれませんがジェネリックは成分が全く同じもので効果も全く同じもので副作用も同じです。実はジェネリック薬には世界的な決まりがあります。それはジェネリック薬が先発品と吸収される薬物量と薬物濃度が同じでないとジェネリック医薬品として厚生労働省に承認されないのです。つまり効果や副作用は理論上全く同じです。研究開発費がかからないためフィナステリドは価格が安く抑えられています。
プロペシアとフィナステリドを比較すると違いはコーティングや基材、パッケージの違いだけです。
2012年の発表された医師の診療科別に年間の新患数とプロペシア服用患者数です。プロペシアジェネリック販売前のデータです。 プロペシア服用患者数の内訳は、新患が年間で125000人、プロペシア患者が160000人存在し、その内25%の患者がAGA 専門医、皮膚科を受診する患者が40%、内科を中心としたそれ 以外の診療科が約35%という分布になっています。
プロペシアの処方は院内処方がメインであり、多くの患者さんが院内でプロペシアを処方されています。 また、毎月5%の新患が来院し、脱落する患者も毎月5%存在します。
診療科 | 新患/年 | プロペシア継続患者/年 | Total |
---|---|---|---|
AGA専門医 | 新患/年 : 31,000 | プロペシア継続患者/年 : 40,000 | Total : 71,000(25%) |
皮膚科 | 新患/年 : 50,000 | プロペシア継続患者/年 : 64,000 | Total : 114,000(40%) |
その他診療科 | 新患/年 : 44,000 | プロペシア継続患者/年 : 56,000 | Total : 100,000(35%) |
Total | 新患/年 : 125,000 | プロペシア継続患者/年 : 160,000 | Total : 285,000 |
新患受診率:全患者の5%/月 脱落数:全患者の5%/月 年間平均治療日数:235日
出典:IMSクインタイル,IMS-JPM, 2012年患者定量調査,2011年医師定量調査,2014年医師定量調査(博報堂メディカル提供)
日本では2015年からファイザー社の『フィナステリド「ファイザー」』が発売。海外では特許事情の違いから「フィンペシア」、「フィナロ」、「エフペシア」などのフィナステリド製剤が発売されています。
2015年MSD社の日本でのプロペシアの特許権がきれたため、ファイザー株式会社が2015年4月よりプロペシアジェネリックをマイラン株式会社と共同で販売しています。フィナステリドはプロペシアと成分が同じでプロペシアより価格が安いため販売以降、非常に人気があり、多くの方がプロペシアからフィナステリドへ切り替えています。プロペシア処方の60~70%がフィナステリドに切り替えたそうです。
フィンペシアはCipla社のプロペシアジェネリックです。Cipla社は従業員が16000人以上おり、取り扱い薬品は処方薬やOTC医薬品など動物用品まで販売しています。北米、南米、アジア、ヨーロッパ、中東、アフリカなど世界170か国に輸出し、製薬施設は各国の許認可機関に承認されています。フィナステリド製剤「エフペシア」も販売しています。プロペシアとフィンペシアを比較してみても成分は同じフィナステリドなので効果や副作用は変わりません。ただフィンペシアの通販では偽物が非常に多いのでフィンペシアの格安・激安価格の物にはご注意ください。当サイトでは国内のAGA専門クリニックでのプロペシア処方をお勧め致します。プロペシアとフィンペシアの違いは価格と流通の問題といえるでしょう。
フィナロを販売するインタスはアーマダバードに本社を置く後発医薬品メーカーです。腫瘍やリウマチ、自己免疫領域など70か国以上で販売実績がある会社です。英・スェーデン医薬品大手のアストラゼネカと提携していたり、、アメリカやオーストラリアの会社と提携していたり世界市場で活躍しています。ミノキシジルタブレットの「ロニタブ」もインタスの医薬品です。
効果に関してプロペシアとフィナロを比較しても変わりはありません。プロペシアとフィナロの違いもやはり価格と流通の問題でしょう。
ミノキシジルには内服薬と外用薬があります。一般に日本のAGA治療として広く使用されているのは1%、あるいは5%の外用薬です。日本皮膚科学会の男性型脱毛症の診療ガイドライン(2010年)によると、推奨度が内服薬のフィナステリド(プロペシア等)と並び、最高レベルのA(行うように強く勧められる)に挙げられています。 推奨度Aというのは、少なくとも1つ以上の有効性について、科学的根拠に基づいて高い評価が得られたものに対してのみ付けられるもの。ミノキシジルは科学的に認められた優位性の高いAGA用の薬なのです。
日本皮膚科学会の男性型脱毛症の診療ガイドライン(2010年)では男性には5%の外用薬、女性には1%の外用剤を推奨しています。
プロペシアやデュタステリド(ザガーロ)は「原因となる悪玉男性ホルモンの生成を阻害する」作用がありますが、ミノキシジルは作用の仕方がちょっと違います。血管を拡張して血流を良くする効果がメイン。しかしそれだけならほかにも同様の効果を持つ薬はあるはずですが、なぜかミノキシジルにはより強力な発毛があるのです。この謎に迫った日本の研究者の論文によると、ミノキシジルには「細胞の早死にを阻止」「生長期間を延長」「血流の改善」「髪の成長を促す細胞の増殖を促進」などのうち、いずれか、あるいは複数の要因が発毛につながっていると推測されています。この作用機序がプロペシアとミノキシジルの違いなのです。
プロペシアやデュタステリド(ザガーロ)がホルモンに関与して毛母細胞に対する攻撃をストップするのに対し、ミノキシジルは直接毛母細胞へ働きかけ、攻撃阻止と成長促進を行っているのです。このように作用機序が違うため、両者の併用が可能、推奨されているのですね。 ミノキシジルの含有量については1%のものより5%のほうが有意な効果が認められており、副作用の発現率には有意差はないとされています。またホルモンに関与しない薬のため、女性でも使用が可能というのも大きな魅力です。
使い方は非常に簡単です。1日2回、症状が気になる部分の頭皮に塗布するだけ。効果は早い人では3ヶ月程度で感じられる人もいますが、多くの人は半年の仕様で効果を実感できるそうです。くじけず毎日続けてください。 内服できる降圧剤「ミノキシジルタブレット」は、塗布タイプよりもダイレクトに体内にミノキシジルを吸収できます。プロペシアとミノキシジルタブレット(ミノタブ)を比較してみても両方ともに強力な発毛効果をもたらします。また作用機序はプロペシアとミノキシジルタブレット(ミノタブ)では違い、併用するとより発毛が期待できます。
ミノキシジルタブレットはドラッグストアや一般の皮膚科では取り扱いをしておらずAGA専門クリニックで処方してもらうしかありません。また副作用に注意が必要なため、そちらを希望する場合は必ずAGA専門医にその旨を伝えて相談するようにしましょう。
プロペシアとザガーロ・アボルブの違いとは何なのでしょうか?
違いはAGAの原因物質DHTの抑え方です。プロペシアは頭髪の毛根にダメージを与える原因である男性ホルモン「ジヒドロテストステロン(DHT)」の生成を阻害する薬です。DHTは一般的な男性ホルモン「テストステロン」が5α-リダクターゼ(還元酵素)と結びついてできます。テストステロンと還元酵素の結びつきを阻害すれば発毛サイクルが正常化され、太く健全な髪が成長できるようになるのです。その仕組みはデュタステリド(ザガーロ・アボルブ)も同じ。ただし薬の効果としてはザガーロのほうがずっと強力です。5α-リダクターゼはⅠ型とⅡ型があり、このうちプロペシアはⅡ型のみに作用、ザガーロは両者ともに作用します。アメリカの論文によるとザガーロについて、Ⅱ型の阻害能力は約3倍、Ⅰ型の阻害能力は約100倍にも及ぶことが分かっています。かなりの違いですね。