男性型脱毛症(AGA)を治療する際、ケトコナゾールシャンプーという名前を聞いたことがあると思います。最近では、脱毛や脂性フケに効果があるシャンプーとして注目を集めています。では、ケトコナゾールシャンプーには、どのような特徴があるのか?市販シャンプーとの比較や使い方のコツについて、お話ししていきます。
ケトコナゾールシャンプーとは
ケトコナゾールシャンプーは、世界で効果が実証されていますが、日本国内では未認可のシャンプーなので、取り扱っている医療機関から処方してもらう必要があります。ケトコナゾールの特徴は、真菌の殺菌効果があることと、発毛や皮脂の抑制効果があるという点です。まず、「真菌の殺菌効果があると何故良いのか?」についてですが、体内には多くの細菌がいて、この中にマラセチアという真菌が含まれており、皮脂を分解して頭皮環境を整える役割を担っています。マラセチアは害のない真菌ですが、この真菌が増加すると、大量のフケや皮膚の炎症を引き起こす脂漏性皮膚炎の原因になると言われています。大量のフケが発生すると毛穴を防ぎ髪の毛の成長が阻害され、脱毛症になりやすくなるため、脂漏性皮膚炎を予防することでAGAの予防にも繋がると言われています。次に、ケトコナゾールの発毛作用についてです。AGAの原因である男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン(DHT)は、「プロゲステロン~アンドロステンジオン~テストステロン~ジヒドロテストステロン」という経路で産生されています。ケトコナゾールは、プロゲステロンからアンドロステンジオンへの変換を抑制する働きがあり、DHTの産生を抑制する効果があることが分かっています。プロペシアの有効成分であるフィナステリドは、テストステロンからDHTの変換を阻害する医薬品ですが、ケトコナゾールは更に上流でのDHTの産生を抑制する効果があるので、フィナステリドと併用することで、より効果的な抑制を実感することができます。また、ケトコナゾールは、毛包からの皮脂の分泌を減少させる働きがあります。皮脂の分泌量を減らし、抗DHT作用によって成長期の毛髪を増やしたり毛髪を太くする効果があります。
ケトコナゾールシャンプーと市販のシャンプーの比較
ケトコナゾールシャンプー(2%配合)と市販のシャンプーの効果を比較した研究があります。この研究により、ケトコナゾールシャンプーが髪の毛の太さや成長期の髪の割合を増加させることが判明しました。ケトコナゾールは6ヵ月使い続けてもその後15か月目までは、毛の太さや髪の割合は増加し続ける傾向にありますが、市販のシャンプーはAGAへの効果は無く、毛の太さや髪の割合は徐々に減少する傾向にあります。ケトコナゾールシャンプーは、ヘアサイクルを短縮と髪の割合の低下を防止する役割があります。ヘアサイクルとは、髪の毛が生えてから抜け落ちるまでの周期をいい、「成長期、退行期、休止期」に分けられます。AGAを発症すると、髪の成長が阻害され、成長期から休止期に移行するスピードが正常時よりも早まります。このことをヘアサイクルの短縮と言います。ヘアサイクルの短縮が起こると、髪の毛の伸びる期間が短くなるので、一本一本が細く短くなる現象が起こります。ですから、ケトコナゾールシャンプーを使うことで、ヘアサイクルの短縮を防止し、髪の毛が細く短くなる現象を防ぐことができます。
ケトコナゾールシャンプーの使い方
ケトコナゾールシャンプーは、毎日使う必要はありません。メーカーによって違いはあるものの、週に1~3回くらいの使用が推奨されています。ポイントはシャンプーする際、3~5分程度頭皮に馴染ませてから洗い流すことです。ただ上記の使い方をするよりも「自分の頭皮の状態に合わせて使う頻度や馴染ませる時間を調整すること」が大切になります。3日に1回の頻度で使っていた方が、少し効果が足りないと感じ2日に1回のペースに変更して使ったという体験談もあります。頭皮の状態は人によって様々です。シャンプーを使った際の反応が違ったりもするので、自分に合った使用頻度を見つけることが大切です。しかし、頭皮の状態によって自分に合う使い方を見つけることは難しいかと思います。分からないことや不安があれば、AGAを取り扱っている医療機関に使用頻度を相談することをオススメします。ユナイテッドクリニックでは、ケトコナゾールシャンプーを取り扱っている医療機関なので的確にアドバイスすることができます。
長期的に使い続けた時の効果
自分に合った方法でシャンプーを使い続けると、「フケが減少し、油っぽい臭いも無くなった」、「大量の抜け毛が10分の1にまで減少した」「頭皮が皮脂により炎症を引き起こし痒みを生じていた方は、全く掻かない日もあるようになった」という体験談もあります。ケトコナゾールシャンプーを使い続けると確かな効果があるので、AGA対策として検討してみるのもいいかもしれません。