「ザガーロ」は、2015年に厚生労働省により製造販売が認可され、国内では2016年にイギリスにあるGSK(グラクソ・スミスクライン)社から発売されました。男性型脱毛症(AGA)治療薬の「プロペシア」に比べてザガーロの方が高い発毛効果があると報告もなされており、治療効果の高い医薬品として期待されています。「リアップ」は、ミノキシジルを配合した壮年性脱毛症に有効な医薬品です。米国食品医薬品局が最初に承認した成分で、一般用医薬品として90ヵ国で承認されています。今回は、「ザガーロ」と「リアップ」の効果やこの2種類の医薬品を併用することで、相乗効果に期待することができるのかを話していきたいと思います。
ザガーロとは?
ザガーロは、「デュタステリド」を有効成分としたAGA治療薬で、プロペシア(フィナステリド)よりも1.6倍以上の発毛効果に期待することができます。なぜ、プロペシアよりもザガーロが良いのか?そもそもAGAは、男性ホルモンの一種である「テストステロン」が「5αリダクターゼ(1型、2型)」という体内にある酵素と結合して、AGAの原因である「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変わり、その働きによってヘアサイクルを乱します。プロペシアは、前頭部と頭頂部の毛乳頭に多く存在する「2型5αリダクターゼ」のみに作用し、DHTの量を減少させます。ザガーロは、2型5αリダクターゼに限らず、側頭部と後頭部の皮脂腺に多く存在する「1型5αリダクターゼ」にも作用しDHTの量を減少させるので、プロペシアよりも効果があると期待されています。また、ザガーロには、ザガーロカプセル0.1mg錠とザガーロカプセル0.5mg錠の2種類がありますが、より効果が発揮されるのは「ザガーロ0.5mg錠」とのことです。0.1mg錠は淡橙色で0.5mg錠は淡紅色と色は異なりますが、形や大きさなどに違いはありません。ザガーロの服用方法については、デュタステリド含有量に関係なく1日1回、決まった時間に服用しなければなりません。もし飲み忘れた場合でも次回服用するときに、一度に2回分を飲まずに1回分の量を飲むようにしてください。ザガーロの効果が現れるまでの時間には個人差があります。早い方で3ヶ月で改善が認められますが、薬の効果を評価するためには6ヵ月以上服用し続ける必要があります。もし6ヶ月以上服用しても効果が現れなかったり、身体の不調を来した場合は一度使用を中止し、専門の医師に相談しましょう。
リアップとは?
リアップには、用途や症状に合わせ様々なシリーズの商品がありますが、男性用育毛剤の主力商品である「リアップx5PLUS」について、説明します。リアップx5は塗るタイプの育毛剤で、ミノキシジル5%が配合されています。このミノキシジルには、2種類の作用が認められています。毛の根元にあり、髪の発生に関わる毛乳頭細胞を刺激し、発毛を促す作用と血管を拡張させ、髪に必要な栄養素の運搬を助ける作用があります。また、リアップx5のプラス効果として、頭皮を健全に保つ作用がある「ピリドキシン塩酸塩」、毛髪細胞に栄養を促し皮脂の酸化を防ぐ「トリコフェロール酢酸エステル」、頭皮の痒みを鎮める「l-メントール」が配合されています。一般用医薬品なので誰でも購入することができますが、「第1類医薬品」なので、購入時に薬剤師からの説明を受けなければなりません。通信販売の場合も事前に問診を受ける必要があります。リアップx5は、20歳以上の男性で1日2回(1回1mlの用量)まで使用が認められています。20歳以上の男性専用の医薬品であるので、20歳以下の男性や女性が使用することは禁止されています。(リアップのみが女性への使用を禁止しており、主成分のミノキシジルは濃度1%までは使用が推奨されています)
ザガーロとリアップは併用できるのか?
「ザガーロ」と「リアップ」は別の作用があるAGA治療薬なので、併用することができます。ザガーロは、「脱毛抑制」の効果に期待することができ、リアップx5は、有効成分にミノキシジルが配合されている育毛剤なので、血管拡張作用があり「発毛や育毛促進」の効果に期待することができます。相互作用は無いのでお互い効果を高め合うことはありませんが、より効果的にAGA治療を進める為には「ザガーロ」と「リアップ」に限らず薬剤の併用は重要です。(ザガーロとプロペシアは作用機序が同一の為、併用禁忌)
リアップはドラッグストアで購入が可能ですが、ザガーロはドラッグストアで購入が出来ません。これはザガーロが医師によって使用時に関するの説明が義務化されているためです。これは同時にインターネットなどで購入が出来ない事も意味します。
今やAGAは治療の出来る疾患と言えます。以前は自己判断で育毛剤を購入して、自己責任で治療をしていましたがそれはもう時代遅れです。もし少しでも薄毛がきになったら先ずはユナイテッドクリニックにご相談ください。AGAは進行性の疾患の為に放置しても自己治癒はしないので早めの対応が必要です。当院ではAGA治療の専門医が最適な医薬品を処方しております。