このサイトをご覧くださっている皆様には、男性型脱毛症(AGA : Andro-Genetic-Alopecia)はご存知の事と思います。しかし、脱毛の原因はAGAのみではありません。今回は、AGAを含む脱毛症全体の種類について考察してみましょう。脱毛症という全体で見たとき、AGAはどのような立ち位置なのでしょうか?また、その他の脱毛症とAGAを混同していないのか、確認して参りましょう。
脱毛症の定義
脱毛症の種類
脱毛症の分類は大きく分けて、(1)限局性(げんきょくせい)、(2)びまん性、またこの2つの症状に加え(3)瘢痕(はんこん)の有無でも判断します。(1)限局性とは、脱毛症状が一部の範囲に限られるものを指します。(2)びまん性とは、特定の一か所ではなく、広範囲に症状が広がっている状態を指す言葉です。以下、種類を列挙してみましょう。
限局性脱毛症(げんきょくせいだつもうしょう)
○円形脱毛症…一般的にイメージされる「十円ハゲ」である頭髪の脱毛斑や、円形脱毛症が進行して頭の全ての毛が抜け落ちる症状や、さらに頭髪だけではなく、全身の体毛に及ぶ脱毛症に分類されます。
○頭部白癬(とうぶはくせん)…シラクモともいわれる症状です。水虫に起因する皮膚病で感染力が強く、足ではなく頭部に感染すると毛髪や髪を作る細胞である毛包細胞に感染してしまって、毛を生産しなくなってしまう症状になります。特にお子様に多い症状です。
○牽引性脱毛症…三つ編み、ポニーテールなど引っ張る力に起因する脱毛です。
びまん性脱毛症
○成長期脱毛…服用しているお薬の副作用や、タリウムやヒ素などの化学物質の中毒症状、放射線の被ばくなどによって、ヘアサイクルの成長期を阻害し脱毛させる症状です。
○AGA…男性型脱毛症、男性ホルモンであるテストステロンが2α還元酵素と結びつき、より強力なジヒドロテストステロン(DHT)を産生し、毛乳頭細胞の受容体に働きかけアポトーシスを指令するTGF-βを誘発します。ようするに、プロペシア専科が対象とする脱毛症です。
○先天性疾患…生まれついての薄毛や脱毛を指します。遺伝的要因に起因する脱毛症です。
○休止期脱毛…細胞分裂を阻害する様なお薬の副作用や、バセドウ病に代表される甲状腺の働きすぎで免疫が自分の体を傷つけてしまったり、反対に甲状腺の働きが鈍ったり、また女性だと閉経や分娩後などによって休止期脱毛が促進されてしまう脱毛症です。
瘢痕性脱毛症(はんこんせいだつもうしょう)
瘢痕(はんこん)性脱毛症は毛包が強く破壊されて生じる症状になります。症状の早期には瘢痕は伴わず、脱毛のみになりますが、徐々に進行するにつれ、皮膚に瘢痕が発生し毛包は修復不可能な状態になります。
○慢性皮膚エリテマトーデス…いわゆるアレルギー症であり自己免疫疾患の一つです。それが頭皮に発症すると毛包を破壊してしまい、毛髪が無くなってしまいます。女性に多い症状です。
○続発性瘢痕性脱毛症…ひどい火傷や、皮膚が硬くなってしまう強皮病という病気、また放射線治療の副作用や梅毒の症状などによって、継続的に毛包が破壊的ダメージを与えてしまう脱毛症です。
脱毛症の併発、そして疾患のサインにも…
AGAは最も頻度の高い脱毛症ですが、それ以外にも色々な脱毛症があります。更に、このような脱毛症が腎不全やバセドウ病など、内分泌系全身疾患や感染症、栄養失調の前兆である可能性もあり、やはり病院で検査を受けた方が安心されると思います。また、例えばAGAと円形脱毛症を複合的に発症する場合もありますので、警戒が必要です。第一に医師に相談、第二にストレスを溜めないこと、第三に生活習慣の改善を行いましょう。
このように脱毛症と言っても色々な種類が存在し、さらに複合症状に発展する場合もあります。しかし、まずは悩まずに専門的な医師に相談しましょう。医師に相談する事で、患者様の心的負担が軽減され、頭髪にも良い影響を与えます。第三に、生活習慣を改め、大豆やゴマに含まれるイソフラボンやリグナンを摂取し、最後にプロペシアで治療すれば、1~3年にはほぼ男性型脱毛症は回復します。半年から数年スパンで、治療に専念しましょう。