フィンペシアとは？
フィンペシアとはシプラ社が製造・販売を行っているAGA治療薬です。AGA治療薬として有名なプロペシアと同じくフィナステリドを有効成分とするいわゆるプロペシアジェネリックといえるお薬です。シプラ社は世界中にシェアを持つトップクラスの製薬メーカーであり、同社製の薬が「国境なき医師団」でも使用されるなど品質と安全性の高さで知られています。フィンペシアもアメリカやアジア各国など様々な国々で使用されています。
プロペシアとフィンペシアの違い
プロペシアとフィンペシアを比較した際、まず目につくのが両薬剤の価格差です。プロペシアジェネリックの位置づけであるフィンペシアは巨額の研究開発費や宣伝費がかかっている先発薬であるプロペシアと比較して、これらがかかっておらずその分価格が低く設定されています。
もちろん両薬剤ともフィナステリドを有効成分としているので効果に差はないことからこれは非常に大きなメリットと言えるでしょう。これは他のプロペシアジェネリックと比較した場合も同様で、価格の安さではフィンペシアに軍配が上がります。経済的理由でプロペシアの服用をあきらめざるを得ない場合には心強い味方になってくれるでしょう。ただし、プロペシアと違いフィンペシアは日本国内では未承認薬であるため通常の手段では入手が困難です。個人輸入や通信販売などに頼るのも手ですが、海外からの医薬品の輸入は有効成分の全く入っていない偽物などが紛れ込む可能性があることがあることがよく知られています。
こういったことや現在の持病との相性や服用中のお薬との飲み合わせを相談するためにも、専門の医療機関での処方が望ましいでしょう。
またプロペシアには0.2mg錠・1mg錠の2用量があることに対し、フィンペシアは1mg錠のみとなります。
フィンペシアの効果
主成分が同一ですので、当然プロペシアとフィンペシアの間に効果の差はありません。プロペシアと同様に、男性ホルモンであるテストステロンと毛乳頭内に多く存在する５a還元酵素とが結びつくのを阻害することで、AGA最大の原因とされるヘアサイクルの乱れをもたらす「DHT（ジヒドロテストステロン）」の生成を防いでくれます。ヘアサイクルが改善されることで毛髪が十分に成長することができるようになれば薄毛や脱毛は改善され、AGAの症状を食い止めることができます。また、十分な効果が発揮されるには少なくとも半年程度の期間、根気よく服用を続けていくことが必須であるという点もプロペシアと同様です。すぐに効果が出ないからといって勝手な判断で服用を止めたりすると、十分な効果が得られませんのでご注意ください。服用タイミングとしては、フィナステリドの血中濃度を保てる時間がおよそ２４時間であることを考慮すると、１日１回、決まった時間帯に服用するのがベストでしょう。こうすることで常に体内にフィナステリドが存在している状態になりますし、何より絶対に避けたい飲み忘れ対策にもなります。
フィンペシアの副作用とキノリンイエローについて
副作用もプロペシアと同様です。すなわち、男性の方に対しては性欲の減退及び勃起障害、肝機能障害、精子の減少といった副作用が出る恐れがあるものの、症例の報告数は極めて少なく基本的には安全性の高い薬です。女性、特に妊婦の方には摂取、またフィナステリドが経皮吸収される可能性があるため直接触れることも避けてください。妊娠中の女性がフィナステリドを摂取した場合、男性胎児の生殖機能に悪影響を及ぼしてしまう可能性があるため、フィンペシアを使用する場合は保管場所などにも気を使いましょう。
またフィンペシアにはコーティング剤として使用されているキノリンイエローに発癌性があるという噂があります。しかし、今のところ明確な根拠や因果関係は存在しないためあくまで噂や風評レベルであり、日本においても医薬品へのキノリンイエロー使用は厚労省によって認められています。とは言え、キノリンイエローが分類されるタール色素の中に発癌性が認められたものが存在するのは事実であり、噂であっても発癌性物質と聞けばフィンペシアの使用をためらってしまうかたもいらっしゃいます。こういった背景を受けてか、シプラ社からキノリンイエロー未使用のキノリンイエローフリー版のフィンペシアもリリースされましたので、どうしても気になる方はそちらの使用をお勧めします。ちなみに、キノリンイエローフリー版のフィンペシアには、ケースに「Quinoline Yellow Free」の表記がありますので、現物を直接手に取れるのであれば確実に区別することができます。
