プロスカーとは?
プロスカー(Proscar)とは、1992年にアメリカで認可された前立腺肥大症の治療薬です。アメリカ合衆国・ニュージャージー州に本社を置く、世界的な製薬会社であるメルク・アンド・カンパニー(Merck&Co.)が有効成分である「フィナステリド」を1991年に前立腺肥大症の治療薬として研究・開発されていました。しかし、プロスカーを服用した前立腺疾患の被験者から「髪の毛が生えてきた」「抜毛量が減った」などの報告が多数あり、有効成分であるフィナステリドには、薄毛や抜け毛の予防・改善をする効果があることが判明しました。プロスカーをよくプロペシアのジェネリック医薬品だと思われてる方も多いですがそれは間違いです。プロスカーが前立腺肥大症の治療薬として、プロペシアは男性型脱毛症の治療薬として販売されています。
プロペシアとプロスカーの違い
プロペシアとプロスカーの主成分は、同じフィナステリドから作られています。両剤の違いは、主成分であるフィナステリドの含有量の違いです。プロスカーはフィナステリドを5mg含む5mg錠しかありませんが、プロペシアはフィナステリドを0.2mgもしくは1mg含む0.2mg錠と1mg錠の用量があります。他にプロスカーとプロペシアを比較すると、価格差が目につきます。プロペシアは、研究費や開発費、宣伝費などが多くかかっているため、薬剤の価格が高く設定されています。プロスカーは、1錠を5分割し服用することで、プロペシアより低価格でAGA治療を継続することもできます。AGA治療で効果を実感するには、最低でも6ヵ月~1年以上継続しての薬剤服用が必要になります。そのため経済的理由でプロペシアの継続服用をあきためた方が、改めてプロスカーを割って服用されている方もいらっしゃいます。
プロスカーは、国内未承認の薬剤のため通常の手段での入手が困難な薬剤です。インターネットの通信販売や個人輸入などの手段もありますが、こうした個人輸入や個人輸入代行などの薬剤は、模造品だったり有効成分が入っていない偽物の可能性があります。それ以外にも、薬剤を素人判断で服用するのは飲み合わせの関係や今までの病歴などで身体に悪影響を及ぼすこともあります。必ず専門の医療機関でドクターに診断してもらい、安全を確認してから服用してください。
プロスカーの効果
通常の髪の毛は、約4~6年かけて成長しますが、AGAの進行が進むと数カ月~1年と成長期間が極端に短くなります。
AGA(男性型脱毛症)の主な原因として「DHT(ジヒドロテストステロン)」という男性ホルモンが薄毛・抜け毛に影響を及ぼすと報告されています。テストステロンという良性の男性ホルモンが、毛根に存在している5α還元酵素(5αリダクターゼ)という酵素と結びつくことで、DHTに変換されて髪の毛が細く抜けやすい髪になってしまいます。
プロスカーの主成分である「フィナステリド」は、5α還元酵素阻害薬に分類されています。テストステロンが5α還元酵素によって薄毛・抜け毛の原因であるDHTに変換される前に、フィナステリドが5α還元酵素を阻害することで脱毛抑制することができます。
プロスカーの服用方法
プロスカーをAGA治療薬として使用する場合は、プロスカー1錠をハサミなどで5分割して、一日一回1/5錠を毎日決めた時間に服用するようにしてください。24時間置きに服用することでフィナステリドの体内血中濃度が安定し、より効果的な抜け毛抑制効果を得ることができます。
フィナステリドは、子供や女性は服用することが出来ません。特に妊婦の方の使用は、胎児の生殖器の成長に影響を及ぼすことも考えられるため、服用しないでください。フィナステリドは、経皮吸収(触ることで皮膚から吸収すること)するため、プロスカーを割って服用する場合や薬剤の保管する際に女性や男性胎児に触らせないように十分な注意が必要です。
プロスカーの副作用
プロスカーを5分の一に割ってAGA治療として服用しているのならば、副作用の内容はプロペシアと同様です。リビドー減退、肝機能への障害、勃起機能不全、精子の量減少などの副作用がプロスカーとプロペシアの主成分のフィナステリドには報告されていますが、臨床試験による副作用発生率はリビドー減退8%、勃起機能が低下3%、製紙の量減少1%以下と極めて低いことがわかります。他には、医薬品によくみられる頭痛や下痢、腹痛、眠気など症状などの副作用が強く現れるようでしたら専門の医師に相談してください。