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アボダートとザガーロ

AGA(男性型脱毛症)とは

AGAとは「Androgenetic Alopecia」の略称のことで男性型脱毛症の事を指します。主な症状は頭頂部の髪の毛のボリュームの低下による地肌の露見や、額の生え際の後退による薄毛の発現になります。AGAの原因として挙げられるのが遺伝や男性ホルモンの影響によるものです。AGAは進行性のもので治療せずに放置しておくと毛髪の数が減少し悪化していきますので、早期の治療開始が大切です。

AGAの最たる原因として考えられるのがDHT(ジヒドロテストステロン)という悪性のホルモンです。このDHTはテストステロンと言う男性ホルモンが5αリダクターゼとよばれる還元酵素と結びつくことによって生成されます。そうして生成されたDHTが髪の毛の毛乳頭細胞にある受容体と結びつくことで毛周期(ヘアサイクル)の成長期を短くしてしまい、健康的な毛髪の生育ができなくなり細く抜けやすい毛髪が増加し薄毛の原因となってしまうのです。

ザガーロとは

ザガーロとは2015年9月に承認され、グラクソ・スミスクライン社から販売されているデュタステリドを有効成分に持つAGA治療薬です。このデュタステリドは元々は2001年に承認され、グラクソ・スミスクライン社から販売されている「アボルブ」という前立腺肥大症の治療薬として使用されていました。しかしAGA治療にも有効な成分であることが判明し、2015年に日本でもAGA治療薬として承認され販売が開始されました。

アボダートとは

アボダートとは2009年に韓国で承認され、グラクソ・スミスクライン社から販売されているデュタステリドを有効成分に持つAGA治療薬です。日本では前立腺肥大症治療薬として承認されていて、このアボダートは日本ではアボルブと言う名前で販売されています。お気付きの方も多いと思いますがアボダートの日本名がアボルブとなっており、これらは販売する国や治療の用途応じて名前とパッケージを変えたものになります。

ザガーロ・アボダートの効果、飲み方

ザガーロ・アボダート(アボルブ)は全てデュタステリドを有効成分に持つお薬です。そのことからも効果、飲み方はすべて同一になります。

デュタステリドはAGAの最大の原因と考えられるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成の元となる5αリダクターゼがテストステロンと結びつくのを阻害する作用があります。そうすることでDHTの生成を抑え、AGAを抑制することができます。

デュタステリドは日本皮膚科学会が推奨するAGA治療ランクにおいてAランク(行うよう強く勧められる)の評価を受けている「フィナステリド」よりもAGA治療に有用だと考えられます。DHT生成の原因たる5αリダクターゼですが、これにはⅠ型とⅡ型が存在します。フィナステリドはこの5αリダクターゼのⅡ型のみを阻害する働きがありますが、デュタステリドはⅠ型・Ⅱ型の両方に作用する成分となっているためフィナステリドよりも高い効果が期待できます。既にフィナステリドをお使いの方で効果を実感できてない方はデュタステリドへの切り替えを推奨されます。

飲み方ですが、1日1回の服用になります。また体内のお薬の血中濃度を一定に保つため、24時間おきにに1錠飲むように心がけてください。時間帯、食事の影響などはありませんのでご自身の都合のいいタイミングで時間を決めてお飲みください。もし飲み忘れてしまった場合は、早めにお飲みください。また次の服用予定時刻が近い場合は1日分を飛ばし、本来服用していた時間にお飲みください。飲み忘れたからといって1回で2錠服用しても本来の効果以上は望めず、また予期せぬ副作用を引き起こす可能性もありますのでおやめください。

ザガーロ・アボダートの副作用

副作用に関してもザガーロ・アボダート(アボルブ)は同様の物になります。

一般的にあげられるものが「勃起不全」、「リビドー減退」といったものになります。しかしながら臨床試験の結果、どちらの副作用も発生率は5%以下と非常に少なくなっているのでご安心下さい。

PSA値を50%近く低下させますので健康診断の際や、かかりつけの医師にはアボルブを服用していることをご報告ください。

また、5α還元酵素(5αリダクターゼ)阻害薬に対し過敏症の経験がある方、女性、小児、重篤な肝臓障害をお持ちの方は服用することが出来ませんのでご注意ください。

また副作用とは違うのですが初期脱毛といった症状が出る可能性があります。これは治療を開始したことで毛母細胞が活性化され、毛周期(ヘアサイクル)が正常化されることで細く弱い髪の毛が一斉に生え変わることによって起こりうるとされます。お薬が効いている証ともいえますので服用をやめないようしてください。

AGA治療をされる方へのお勧め

AGA治療をされる方にはデュタステリドとミノキシジルの併用をお勧めしております。デュタステリドが脱毛を防ぐ事に優れているのに対し、ミノキシジルは頭髪の血流を改善し発毛・生育を促すことに優れていますので併用することで高い相乗効果が期待できます。ミノキシジルには服用するタブレットタイプのものと塗布するローションタイプ、フォーム(泡)タイプのものもあります。これらも併用することが可能です。デュタステリドとミノキシジルの組み合わせはAGA治療の最適解だといえるでしょう。