AGA治療薬ザガーロ処方を行っているクリニックも全国的に増えており、AGA患者数も年々増加しています。ザガーロとは主成分がデュタステリドのAGA治療薬になり、ベルトリドも同じデュタステリド製剤のAGA治療薬になります。主成分が同じなので、ザガーロの治療効果とベルトリドの治療効果は同じものになります。
最近では通販や個人輸入、インターネットで購入出来るような薬でAGAを治療しようと考える方もいますが、AGA治療薬は長期に渡って服用するものなので、必ず医療機関で処方されているAGA治療薬を服用するようにしましょう。ベルトリドは日本では取り扱いがないため、海外に足を運ぶか、個人輸入等になりますが、個人輸入は約6割が偽物というデータもあり、健康被害も多数報告されているので、必ず医療機関をご利用下さい。
ザガーロ(ZAGALLO)とは
ザガーロとは2016年6月から販売が開始された、デュタステリド製剤になります。ザガーロを製造販売している製薬会社はグラクソ・スミスクライン(GSK)という会社になります。正確な商品名は「ザガーロカプセル0.1mg・同0.5mg」となり、0.1mgと0.5mgのデュタステリド製剤がありますが、AGA治療を行う場合、0.5mgでの治療がほとんどなので、0.1mgは在庫があるクリニックも少ないかと思います。
ザガーロはAGA治療の新薬とされていますが、デュタステリド製剤は昔からAGA治療にも使われていました。アボルブという全く同じデュタステリド製剤が、同じグラクソ・スミスクラインから販売されていますが、アボルブとザガーロの違いはパッケージだけです。アボルブは前立腺肥大症治療薬として登録した薬で、ザガーロはAGA治療薬として登録したというだけなので、効果に違いは一切ありません。薬には同じ成分の薬であっても、その用途が違うだけで商品名が違ってきたりする事がありますが、成分が同じものなので、効果効能に違いがある訳ではありません。
デュタステリド製剤を一日一回0.5mg服用する事で、脱毛の原因である酵素を90%以上阻害する事が出来ます。0.5mg以上服用しても特に問題ありませんが、0.5mg以上の服用をしても治療効果が二倍になるという訳ではないので、用法用量を守って正しく治療を行いましょう。
ベルトリド(Veltride)とは
ベルトリドとは、ザガーロと同じデュタステリド製剤になり、海外のジェネリック医薬品になります。デュタステリドの含有量もザガーロと同じ0.5mgになるので、その治療効果は同じものになります。海外ではジェネリック医薬品の数も非常に豊富になりますが、成分が同じなのでメーカーによって治療効果に違いが出る事はありません。ベルトリドはザガーロと比較するとカプセルタイプのものではなく、タブレットタイプのものになります。デュタステリド製剤は、女性の方や小さい子供が服用する事は出来ません。女性の方でいうと、妊娠中の胎児にも影響が出てしまいます。タブレットタイプのものは、触れただけでも少なからず成分は吸収されるので、薬の管理をしっかりとするようにしましょう。
デュタステリド(Dutasteride)の効果
ザガーロの主成分は「デュタステリド」でMSD社のプロペシア(フィナステリド)と同じ「5α還元酵素(リダクターゼ)阻害薬」に分類されます。デュタステリドはフィナステリドより高いAGA治療効果を持っています。生え際や前頭部、頭頂部における効果はプロペシアと比較すると、1.6倍の効力とのデータも取れており、その理由として、5α還元酵素のⅠ型とⅡ型の両方を阻害する事が出来るためです。フィナステリドが阻害出来る5α還元酵素はⅡ型のみになるので、デュタステリドはより効率の良い薄毛治療が行えます。全体的に薄毛が進行している方も、生え際や頭頂部だけ薄毛が進行している方も、デュタステリドで治療を行った方が効率的なAGA治療を行う事が出来ます。
デュタステリドと併用するべきミノキシジル
デュタステリドは、薄毛や抜け毛の原因である、悪性の男性ホルモンのジヒドロテストステロン(DHT)を生成させないようにする阻害薬ですが、これだけでは治療効果はそこまで高くはありません。日本皮膚科学会のAGA治療ガイドラインにも記載されていますが、ミノキシジルと併用する事で、相乗効果があります。ミノキシジルは血管を拡張させる事によって、毛根に栄養を送りやすくなり、毛母細胞にも直接働きかけるので、毛根が死滅していない限り、発毛を期待出来ます。しかしミノキシジルだけで治療を行っても、生えてきた髪の毛が抜けてしまうので、デュタステリドでしっかりとベースを作り、髪の毛が抜け落ちないようにした上で、ミノキシジルで髪の毛を生やし、育てていく事が大切です。その結果、毛量が増えていき、薄毛が改善していきます。AGA治療は治療を開始しても効果判定が確認出来るのが、早くても3ヶ月、通常で半年以上かかるため、専門のクリニックで、専門医と相談した上で焦らず、効率の良い治療を行うようにしましょう。