プロペシアはメルク社が世界で販売する世界で最初の内服する薄毛治療薬です。プロペシアという名前はPropeciaのpro and Comに使われるProの意味(ポジティブという意味)とpeciaはAlopecia(脱毛症)に由来しており、すでに60カ国以上で承認されています。
プロペシアの登場でAGA治療は大きく変化しました。それまではミノキシジル外用剤(ロゲインやリアップなど)が主流でしたがプロペシアは世界で初めての医師が処方する1日1回の内服による男性型脱毛症治療薬(AGA薬)です。
日本ではMSD株式会社(旧万有製薬)が販売しています。日本では薄毛を認識している方が1260万人のうち18~19万人の方がプロペシアを服用しています。
プロペシアはMSD社(旧万有製薬)が2001年からプロペシアの臨床試験を開始し2003年に厚生労働省へ承認申請、2005年10月に製造販売承認、同12月から「男性における男性型脱毛症(AGA)の進行遅延」の適応で国内に販売されています。
国内ではプロペシア「プロペシア錠0.2mg」と「プロペシア錠1mg」の2種類があり剤型はピンク色の錠剤で28日分、140日分で販売。他に90日分のボトルタイプなどもあります。
商品名)プロペシア錠0.2mg プロペシア錠1mg
分類)5α-還元酵素阻害薬 男性型脱毛症薬
錠剤)フィルムコーティング錠
和名) フィナステリド
洋名)finasteride
製造承認日)2005年10月11日
プロペシアの主成分は「フィナステリド」。アメリカテキサス州からメキシコに自生するノコギリヤシという植物から発見された成分です。男性ホルモンの働きを抑えることが分かり、元々は前立腺薬として開発が進んでいました。しかし開発途中で男性型脱毛症(AGA)に効果があることがわかりその後AGA治療薬として承認されました。
※フィナステリドの構造式
薄毛の主な原因は男性ホルモンのDHT(ジヒドロテストステロン)です。このDHTは薄毛で悩む男性の脱毛部位の頭皮に通常より多く確認されています。本来髪の毛の寿命は6年程度で生え変わります(ヘアサイクル)。男性ホルモンテストステロンが5α-還元酵素によって変換されることでDHTが生成されます。このDHTが毛乳頭細胞に存在する男性ホルモン受容体と結合すると、成長期にある毛髪に対して退行期及び休止期に移行する信号が出されます。その結果、退行期の細い毛髪となり毛髪が長く太い毛に成長する前に抜けてしまうので、毛髪が薄く、細く、短い毛になってしまいます。DHTが髪の毛に作用すると髪の毛の寿命が短くなり1年未満で抜け落ちてしまうのです。
プロペシア(フィナステリド)は、AGAの原因であるテストステロンからDHTを産生させるのに必要不可欠なⅡ型5α-還元酵素を阻害することでDHTの生成を抑制します。プロペシアの半減期は6~8時間ほどです。
プロペシアの用法・用量は0.2mgと1mg錠1日1回服用してください。必要に応じて適宜増減できますが上限は1日1mgまでです。但し1mgがより発毛効果が高く、副作用の頻度が変わらないため1mgで服用することが一般的でAGA専門クリニックでも1mgで処方することが殆どのようです。
またプロペシアの服用時間ですがいつ服用して問題ありません。食事の影響は受けないので飲み忘れをしない決まった時間に飲むことをお勧め致します。
またプロペシアは20歳以上の男性のみ服用できるお薬です。女性や20歳未満の方は服用できません。
プロペシアは本当に効くのか?実はかなりの方でプロペシアの効果が期待できます。プロペシアの発毛効果は98%と多くの方に見られています。プロペシアは日本皮膚科学会の男性型脱毛症診療ガイドライン(2010 年版)で推奨度Aランクの薬剤でミノキシジルと並びAGA・薄毛治療の標準的な薬剤です。
3ヶ月ほどで発毛を実感できる場合もありますが、基本的には6ヶ月服用を継続して発毛効果を判定し、その後について検討することになります。
下のグラフはプロペシアを服用した年齢20代・30代・40代でAGA以外に心身ともに健康な軽度~中等度までのAGAの男性を対象にした試験の結果です。
これを見るとプロペシアの効き始めは服用を開始して3ヶ月後です。プロペシア服用後6ヶ月で効果が安定していることが分かりますね。また効果を持続させるためには継続して服用することが重要です。効き始めの3~6カ月後を楽しみに毎日きちんとプロペシアを服用しましょう!
プロペシアの期間別の治療効果です。プロペシア1㎎の1年間投与で58%、2年間投与で68%、3年間投与で78%の改善効果と40%、31%、20%の現状維持効果が認められています。残念ながら2%の方でプロペシアの効果がなく薄毛(AGA)が進行してしまいます。
※プロペシア1mgの長期治療効果
改善 | 現状維持 | |
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1年後 | 58% | 40% |
2年後 | 68% | 31% |
3年後 | 78% | 20% |
プロペシアはDHTの産生を押抑えヘアサイクルを元に近い状態にしてくれる薬剤ですから極端に発毛・育毛させる薬ではありません。大半の方は軽度改善~現状維持となります。
プロペシアはM字はげなど生え際に強いといわれています。確かにDHTは生え際や前頭部の薄毛の部位に多く存在することが知られており、一般的にプロペシアは生え際に強い効果を発揮しますがプロペシア服用におる著名改善は頭頂部で6%、前頭部で2%程と頭頂部の薄毛に効果的です。頭頂部に効果がないというわけではありません。
服用6ヶ月でプロペシアの効き目がない場合(薄毛が進行した場合)はプロペシアの中止を検討する必要があります。ただ効果がない方は2%程度です。
プロペシアは1mg以上に増量してもプロペシアの効き目や効果は変わりませんのでプロペシアの効き目に満足できない場合はより強力にDHT産生を抑制するデュタステリドへの切り替えやプロペシアとミノキシジル(ミノタブ)を併用することを医師に相談しましょう。
プロペシアだけでなく作用機序の違うミノキシジル(ミノタブ)を併用したりカクテル療法でより強い効果が期待できます。またすでにプロペシアジェネリックも販売されています。価格面が気になる方は効果の同じ「フィナステリド」を服用するといいでしょう。
もっと発毛したい方→①デュタステリド(ザガーロ・アボルブ)へ切り替え、②「プロペシアだけ」でなくプロペシアとミノキシジル(ミノタブ)の併用、③デュタステリド+ミノキシジルへ切り替え
プロペシアの価格が気になる方→フィナステリドへ切り替え
・もっと発毛したい場合 | ①デュタステリド(アボルブ・ザガーロ)へ切り替え |
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②プロペシアだけでなくプロペシアとミノキシジル(ミノタブ)の併用 | |
③デュタステリド+ミノキシジルへの切り替え | |
④カクテル療法 | |
・価格が気になる場合 | フィナステリドへの切り替え |
プロペシアの服用を中止するとどうなるのか?・・・答えは「AGAが進行します。」!!
海外の研究でプロペシアを1年服用してその後1年間やめてみたらどうなったか?という研究がおこなわれています。この研究によるとプロペシア服用中止し1年弱でプロペシアを服用する前の状態に戻ってしまいます。
発毛状態は個人差があり一概にプロペシアの服用を中止したからと言ってすぐAGAが進行するとは言えません。自己判断で中止せず医師と相談しながら治療方針をたてていくことが大事です。
プロペシアの副作用は安全性評価対象276例中11例(4.0%)に14件の副作用(臨床検査値異常変動を含む)が認められました。わずか4%と少なく厚生省承認薬の中では非常に少ない部類で安全性が高い薬剤と言えると思いますがやはり医薬品ですので注意が必要です。まれに大きな肝機能障害を起こしえます。
皆さんが最も心配されるのがプロペシアによるED(勃起不全)です。
とても有名な副作用ですが実はあまり多い頻度ではありません。ED(勃起不全)の症状がみられた方は全体の0.7%(2例)でした。性欲減退(リピドー減退)は1.1%(3例)です。性欲減退1%以上の頻度を認めますがプラセボ(偽薬)との有意差はありませんでしたのでプロペシアの性欲の減退も大きな心配は不要です。
またはED治療薬バイアグラ・レビトラ・シアリスとプロペシアの併用は問題ありません。
肝機能障害は頻度不明ながら大きな副作用となる可能性があり観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなどの処置が必要になります。自覚症状として服用を開始して激しい倦怠感などが見られたら医療機関で肝機能をチェックするようにしましょう。
プロペシアではミノキシジルの最も多い副作用の体毛増加は認められていません。DHTの産生を抑制する薬剤でDHTは薄毛の頭皮に多く存在します。プロペシアでは体毛増加の副作用の報告はありません。
プロペシアは男性ホルモンDHTの産生を抑制するためプロペシアで女性化してしまうのではないかと心配されるかもしれませんが乳房肥大が頻度不明で報告されている程度でめったにおきないので過剰な心配は不要です。
初期脱毛とはAGA治療薬服用後2週~2か月ほど一時的に抜け毛が増える現象のことを言います。原因ははっきりわかっていません。MSD社の見解としてはプロペシアで初期脱毛は起きないとされていますがプロペシア服用でも起きる可能性があります。
プロペシアを女性は触ったり、飲んだりしてはいけません。またプロペシアは女性に適応がありませんがなぜなのでしょうか?
これは通常の取扱い妊娠中の女性がプロペシアの成分であるフィナステリドに暴露されると生まれてくる男の赤ちゃんの生殖器奇形が生じる可能性があるからです。
また経皮吸収の程度が判明しておらず、触れたらどれぐらい吸収されるのかわかっていません。その結果生じる男子胎児及び乳児への危険性を否定できないため、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳中の婦人はプロペシア(フィナステリド)を飲んだり触ったりしてはいけないのです。
但しプロペシアの錠剤はコーディングされているので分割や粉砕にしていない限り女性がプロペシア錠に触っても吸収されませんのでご安心ください。
またプロペシアは男性のAGAにのみ適応がある医薬品です。女性には適応がありません。
これは女性が服用しても効果がないためです。海外の臨床試験で女性が服用しても効果がないことが判明しています。
これらのことより女性は触ったり、飲んだりせず、また女性の男性型脱毛症に適応はありません。女性にはミノキシジルを用いて治療が行われます。
プロペシアを服用している方の中で年齢20代・30代・40代などこれから子供を作りたい、家族をもちたいという方が多くいらっしゃいます。その方々はプロペシアを服用している場合に胎児への影響や妊娠への影響を気にされる方も多いでしょう。
プロペシアの有効成分フィナステリドを用いた試験で妊娠中の女性がフィナステリドに暴露されると生まれてくる男児の生殖器異常が生じる可能性が報告されています。
MSD社がプロペシアの精液への移行性を検討しています。
結果は「アカゲザルの妊娠20 日から100 日までフィナステリド120 ng/kg/day を毎日静脈内投与した場合でも雌雄胎児に異常所見は認められなかった。(アカゲザルへの投与量は、フィナステリド1mg が 投与された患者の1 回の射精を介して女性が曝露される可能性のあるフィナステリド量の少なくとも750 倍に相当する。)」
つまりフィナステリドは精液中に移行するが、人の精液に含まれている750倍の量のフィナステリドをアカゲザルの血液中に注射したがアカゲザルに奇形を有する児はいなかったということです。 また実際に世界中でプロペシア服用者のパートナーの出産で男児の生殖器異常の報告はありません。これらから過剰な心配は不要であることがわかります。
プロペシアの半減期は6~8時間ほど、また服用中止後1か月で血中から消失しますがMSD社はプロペシア(フィナステリド)の影響を完全に排除するために子作りの3カ月前からプロペシアを休薬することを推奨しています。 ミノキシジルに関しては男性が服用するには妊娠・胎児に影響しませんのでご安心ください。 また同様の理由でプロペシアをやめて1か月間は輸血ができません。
プロペシアを使っていると段々効果がなくなってくる、プロペシアには耐性があると思われている方がいるかもしれませんが実際どうなのでしょう?
プロペシア服用者では服用開始後1年では98%の方で現状維持~改善効果が認められていますが、服用開始後5年間では90%の方で現状維持~改善効果が認められています。プロペシア長期服用で8%の方に薄毛が進行しているのでこれを耐性があると考えている方もいらっしゃるでしょう。
実際は年齢など他の要因なども影響していますのでプロペシアに耐性があるとは言えないと思われます。
またAGAの遺伝子検査でプロペシアの効果が出やすい方か、出にくい方か調べることができます。中には効果の出にくい遺伝子型の方がおり、その人たちのことを耐性があると一部でいわれているかもしれません。
ただ実際の治療では遺伝子型で効果が出にくい方でもプロペシアを服用して治療することが殆どのようですので遺伝子型の検査は興味がある方のみ行えばいいでしょう。遺伝子型は年齢で変化しないため一度検査を受ければ十分です。
前立腺癌診断の際のスクリーニング検査の1 つとして腫瘍マーカーの血清PSA 濃度が測定されていますが、プロペシア投与により血清PSA濃度が約50%低下しています。またプロペシア(フィナステリド)が前立腺癌の治療に効果があるわけではなく単純に数値が低下しているだけですのでご注意ください。
前立腺癌が見落とされる場合があるため健康診断やかかりつけ医にプロペシア(フィナステリド)を服用していることを必ず伝えるようにしましょう。またPSA値の低下はデュタステリド製剤でも同様です。
なんとプロペシア服用で前立腺癌の予防効果があるそうです。悪性度が低い型の前立腺癌の発症率が低く、43%の予防効果が判明しています。ただし高悪性度前立腺癌に限れば逆にプロペシアで発症数が多いことも判明しており全体で前立腺癌が1/3抑制されているそうです。
当サイトを見てプロペシア(フィナステリド)・デュタステリド(ザガーロ・アボルブ)でAGA治療を始めてみようと思った方も多いはずです。ではプロペシアの購入方法や入手方法はどうしたらよいのでしょうか?
プロペシアは市販で販売されていません。リアップx5など外用剤の発毛剤・育毛剤の一部は薬局やドラッグストアで販売されていますがプロペシアは薬局やドラッグストアでは販売していません。なぜならばプロペシアは医師の処方箋が必要な処方箋医薬品なのです。
つまりプロペシアの購入方法はクリニックを受診し医師の処方箋で院内処方や薬局で処方してもらう以外にプロペシアの入手方法はありません。爆笑問題が以前出演していたTVのCM通り「お医者さんに相談だ~」なのです。
一般の医療機関(近所の内科のクリニックなど)でも入手できますが診察料などの料金がかかることや、院外処方で手間がかかったり、プロペシアの価格が高かったりしますのでコストが全般的に高くなりがちです。また保険が効かない自由診療になりますので全額負担であることと医療機関によって処方価格が異なってきます。
AGA治療のクリニックでは一部のクリニックでは診察料は無料、また診察後すぐに院内処方してくれるクリニックが多く、薬局で処方してもらう手間や院内ですべて完結するためプライバシーも守られています。
またAGA治療専門クリニックでプロペシアを安い価格で提供しているクリニックが多く見受けられます。料金が安い方がいいですよね。AGA治療は継続して行わないといけませんのでプロペシアの費用が抑えられるAGA治療のクリニックでプロペシアの処方が断然お勧めです!
AGA治療は継続が大事!プロペシアは毎日服用しなければいけません。そのため皆さんが気にされるのはやはり購入費用や価格、値段でしょう。
プロペシアは保険未収載薬品で保険診療ではなく自由診療での処方になるので全額負担になりクリニック毎で価格が異なります。(プロペシアは医療費控除されません。)日本全体ではプロペシアの処方価格は薬剤費と診察料、調剤料を含め1カ月9500円~1300円が相場と言われています。都市圏になるほど価格が下がってきます。
では東京都内でのプロペシアの処方料金はどれぐらいでしょうか?
東京都内では28日分を約7500円で処方・販売している医療機関が多く、最安値のクリニックでは6500円で処方・販売しているようです。
プロペシア最安は28日分5300円
2015年からはプロペシアジェネリックのフィナステリド「ファイザー」が発売され今後多くの製薬メーカーからプロペシアジェネリックの発売が予定されています。そのためフィナステリドがより価格が安く販売され料金を抑えることができます。
プロペシアなどのAGA治療薬の処方には医師の処方箋で薬局かクリニックの院内処方で薬を受け取るかどちらかとなります。日本国内ではAGA治療薬の通販は禁止されており国内のクリニック・病院が診察なしに郵送することも違法です。
海外からのプロペシアやプロペシアジェネリックの個人輸入・通販は違法ではありませんので可能です。フィンペシア、フィナロ、フィナバルト、エフペシアは別ですが海外のプロペシアの価格は日本で処方されているプロペシアジェネリックのフィナステリドと価格差がありません。
またインターネットでの個人輸入や通販のプロペシアの格安・激安価格の物にはかなりの数の偽造品が知られており深刻な健康被害を引き起こすことがあるため危険です。プロペシアは特に「安易な個人輸入は行わず、必ず医療機関を受診し医師の処方により正しく服用してください。」と厚生労働省から注意喚起していますので当サイトでは国内のAGA専門クリニックでのプロペシア処方をお勧め致します。
プロペシアを服用して3カ月から4か月ごろから生え際に産毛が生えてきました。6か月ごろ頭頂部にも発毛を認めました。その後は薄毛の進行もなく現状維持できており満足しています。
プロペシアを服用していましたがプロペシアジェネリックのフィナステリドが発売されたためフィナステリドに切り替えました。切り替え後も効果は変わらず、毎日服用するものなので少しでも安い方が財布にやさしいです。
プロペシアを服用して現状維持程度の効果は認めましたが満足するまでには至らず発毛が止まったので医師と相談しデュタステリドに切り替えてみました。そうしたところまた新しい髪の毛が生えてきました。プロペシアも良かったのですがデュタステリド方が発毛の満足度が高いですね。
60代から初めての薄毛治療で医者にプロペシアとミノキシジルを勧められました。60歳代は少し効果が落ちるかもといわれ服用しましたが髪の毛が濃くなった気がして満足しています。